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ワードアートで装飾した文字を作成する(標準と互換モードのワードアート) [Word]

ワードアートは、文字の色設定以外に、影、変形、3-Dなどの文字の効果を加えて、デザインされた文字を作成する機能ですが、Word 2007以前とWord 2010以降のバージョンにより2種類があります。

Word のバージョンが 2019、2016、2013、2010の場合
文書の形式が標準形式(*docx) のワードアートは、テキストボックスと同様の文字形式として作成する機能となっていますが、以前のバージョンと同じワードアート(互換モードのワードアート) も作成可能になっています。

Word 2007以前のバージョンの場合
ワードアートの文字は、図オブジェクト形式(オートシェイプ図形) として作成されます。

補足:Office 2007 からファイルが XML形式が標準に変更されて、Excel、PowerPoint はテキスト形式に変わりましたが、Word は 2003以前と同様のままでした。
Office 2010 から Word もテキスト形式が標準に統一されましたが、Word は互換モードで以前と同様のワードアートも扱えるようになっています。

新しいバージョンの Word で、以前のバージョンの Word 97-2003 形式 (*.doc) のファイルを開くか、97-2003 文書 (*.doc) として保存すると、互換モードとなって Word のタイトルバーに [互換モード] と表示されてきます。
この互換モードでワードアートを作成すると、2007以前と同様のワードアートギャラリーから、図オブジェクト形式のワードアートを作成、編集することができます。

標準の文書 (*.docx) で、Office のアクセスキー Alt➜I➜P➜Wのキーシーケンスを使用して、互換モードのワードアートを作成可能ですが、この場合は互換モードのワードアートギャラリーが表示されません。

標準と互換モードのワードアートの違い
標準文書(*.docx)と互換モードの文書(*.doc)のワードアートの違いを比較してみます。
Wordの[挿入]タブのテキストグループにある [] (ワードアート作成) をクリックすると、以下のようなワードアートギャラリーが表示されてきます。

Word 2010以降の標準文書では、英字Aがデザインされたワードアートギャラリーで選択して、 [ここに文字を入力] のテキストボックスに文字を入力して作成します。
Word 2007 以前のバージョン、または新しいバージョンの互換モードの文書では、デザインされた Word という文字のワードアートギャラリーで選択して、[ここに文字を入力] のダイアログ画面でフォントとサイズ、文字を入力して作成します。

標準文書のワードアート ギャラリーと文字入力
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※図はデスクトップ版の Word 2019 で A のパターンが15種類表示されていますが、ストア版の Office を使用の場合は少なく表示されることがあるようです。右下にウィンドウ拡大ボタンがあり表示を増やすことができます。Word 2010 は30種類表示されます。
 PC に付属でプレインストールの Office 2016、2019 は、標準でストア版がインストールされますが、デスクトップ版に変更が可能です。

互換モードのワードアートギャラリーと文字入力ダイアログ
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標準文書のワードアート
テキストボックスで作成の通常の文字と同じで、フォント、サイズ、文字の色設定や、[図形の書式]タブにあるワードアートのスタイルの [文字の効果] で、デザインされた文字に編集することができます。
文字はテキスト形式なので、文字単位に色の設定やグラデーションの設定が可能で、テキスト枠にも色、グラデーション、テクスチャ、パターンなどを設定することができます。

互換モードのワードアート
[ワードアート]タブにあるワードアートのスタイルで、文字色の設定、変形、3-D効果などの設定や、[文字の塗りつぶし]で文字列にテクスチャ、パターンの設定ができます。
文字全体が図イメージなので文字単位や文字枠の色設定などはできませんが、標準のワードアートではできない文字のテクスチャ、パターンなどが設定できます。

ワードアートの作成例
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ワードアートを編集するリボンのメニュー
標準の文書(*.docx) では、図形やテキストボックスなどと同じく [図形の書式設定]タブが表示されて、ワードアートのスタイルで文字デザイン、文字の色、文字の効果などを編集ができ、図形のスタイルで文字枠の編集を行うことができます。
以前のバージョンの 97-2003形式 (*.doc) の文書の場合は、Word のタイトルバーに [互換モード] と表示されて、[ワードアート]タブのリボンに表示されるコマンドも、以前のバージョンと同様のリボンメニューが表示されます。

標準文書のテキスト形式のワードアートの編集時は、通常の図形やテキストボックスと同様の [図形の書式]タブのメニューが表示されます。
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互換モードの文書でワードアートを編集する場合は、リボンメニューのワードアートのスタイルにワードアートギャラリーが表示されます。
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標準モードの文書で、Alt➜I➜P➜Wで作成した互換モードのワードアートを編集する場合、Word 2016、2019 はワードアートのスタイルにワードアートギャラリーが表示されません。Word 2013 以前のバージョンでは表示されます。
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標準モードのワードアートの編集
標準モードで作成したワードアートは、[図形の書式]タブでワードアートのスタイルの [文字の効果]、[ホーム]タブのフォントにある[文字の効果と体裁]などで、文字デザインを編集することができます。

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(1) 通常のワードアート文字:ワードアート ギャラリーで選択したスタイルの文字になる
(2) 影 :文字に影を設定 (図形のスタイルの図形の効果、ワードアートの文字の効果がある)
(3) 反射 :文字前面側に反射を設定
(4) 光彩 :文字周囲に色を設定
(5) 面取り :文字に面取りを設定
(6) 3-D回転 :文字の奥行き、質感、方向を設定
(7) 変形 :文字形状を変形

文字の効果とワードアートデザインを変更するメニュー
図形の書式設定の「塗りつぶしと線」は、選択しているテキスト枠の塗りつぶしと枠線の色や太さなどの設定ができます。
「文字の効果」は、ワードアート文字の影、反射、光彩、ぼかし、3-D書式、3-D回転などを設定できます。

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[互換モード] のワードアートの編集
[ワードアート]タブのワードアートのスタイルなどで、文字の塗りつぶしの色、輪郭線の色の設定、形状の変更や、影の設定、3-D効果で奥行きのある文字に編集することができます。

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塗りつぶしの色は、文字列のグラデーション、文字の正面にテクスチャ、パターンなどを設定できる。

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グラデーションは1色、2色、既定があり、既定には多くのパターンがあります。
ワードアートを右クリックし、[オートシェイプ/図の書式設定] を選択すると左の「ワードアートの書式設定」画面が表示されます。
リボンの [ワードアート]タブで、[文字の塗りつぶし] ➜ グラデーション ➜ その他のグラデーションを選択時は、右の「塗りつぶし効果」が表示されます。

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標準文書と互換モード文書間のワードアート
[互換モード]で開いた文書(*.doc)のワードアートは、[ファイル]タブ➜情報➜変換で標準形式(*.docx) の文書に変換しても、互換モードのワードアートは変換されず、図オブジェクトのイメージのまま変わりません。

標準の文書で、互換モードのワードアートをコピー/貼り付けすると、テキスト形式の標準のワードアートに変換されて貼り付けされます。
標準のテキスト形式のワードアートを互換モードの文書に貼り付けすると、通常のテキストボックスで単なる文字として貼り付けされます。

まとめ
●Wordのワードアートは、テキスト形式と図オブジェクトイメージの2種類がある。
●ワードアートギャラリーは、標準モードと互換モードで表示形式が異なる。
●Alt➜I➜P➜Wのアクセスキーで作成の場合、Word 2016, 2019 はワードアートギャラリーが表示されない。
●標準モードの文書(*docx)はテキスト形式のワードアートが標準で、図オブジェクトイメージのワードアートも作成できる。
●互換モードの文書(*.doc)では、図オブジェクトのワードアートとなる。
●ワードアートのコピー/貼り付け
・標準文書から互換モード文書へのコピー/貼り付けは、テキストまたは図オブジェクトの選択になる。
・標準文書内で互換モードのワードアートをコピー/貼り付けすると、標準のワードアートに変換される。
 Ctrl キーまたは Ctrl+Shift キーを押しながらドラッグすると、互換モードの状態でコピーが作成されます。
・互換モード文書から標準文書へのコピー/貼り付けは、互換モードの図イメージ、または図(画像)とすることができる。

補足
Wordのバージョンによって、リボンに表示されるタブの名前が違ってきます。
以前のバージョンは、描画ツール[書式]タブ、ワードアートツール[書式]タブなどになっています。
新しいバージョンは、[図形の書式]、[ワードアート]などのようにタブの表示が変更されています。

関連情報
ワードアートを挿入する
ワードアートのテキスト書式ツールの場所
Word 2016 で以前のバージョンのワードアートギャラリーが表示されなくなった


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