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2018年1月の更新を適用すると、オブジェクトの数式3.0 が消えてしまう [Word]

2018年1月の月次の定例更新で更新プログラムを適用すると、DVD メディアなどからの MSI インストール方式の Office 2010、Office 2013 のオブジェクトにある 数式 3.0 が消えてしまう現象が発生します。

Word 2010、Word 2013 などで新規作成だけでなく、以前作成した既存文書で数式3.0 で作成した数式も、エラーが発生して編集できなくなってしまうようです。

Office 2010 の場合
Microsoft Office 2010 (KB4011610) 32 ビット版のセキュリティ更新プログラム  18 KB
Office 2013 の場合 (MSI版) C2R版は環境が無いため未確認。
Microsoft Office 2013 (KB4011580) 32 ビット版のセキュリティ更新プログラム  46KB
Office 2016 の場合 (MSI版)
Microsoft Office 2016 (KB4011574) 32 ビット版のセキュリティ更新プログラム 1.4MB
注) MSI 版の Office 2013、Office 2016 は、法人向けにボリュームライセンスで提供されている製品です。

C2R クイック実行版の Office 2016では数式 3.0 は正常に使えるので、もしかすると 2013 も C2R 版は大丈夫かもしれません。(まだ情報が得られていないので不明です) C2R 版の Office はWindows Updateではなく、Office の更新機能でプログラムの更新が行われるので、アプリの起動時に数式オブジェクトを Office アプリに読み込む方法が MSI 版と異なるのでしょう。
※Office 2016 に他の不具合が数件あり、一月前のビルドに戻していたことによるためでした。
  MSI、C2R 版に関係なく、すべてのバージョンから削除されるようです。

数式3.0 プログラムは、C2R 用と MSI 用で別の場所にあります。(サイズは同じ 540KB)
オブジェクトから削除されると、以下のファイルサイズが 0KB になるか、プログラムが削除されています。
< C2R 用 >
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\VFS\ProgramFilesCommonX86\Microsoft Shared\EQUATION\eqnedt32.exe
< MSI 用 >
C:\Program Files (x86)\Common Files\microsoft shared\EQUATION\EQNEDT32.EXE


暫定の対処方法
Windows Update の「インストールされた更新プログラム」のアンインストールで、上記の KB を探してアンインストールをします。
アンインストールしても、オブジェクトから数式3.0 は消えたままで使用できないので、Office を修復して PC を再起動するようにします。
再起動すると、数式 3.0 が復活するはずです。

MSI版の場合、以下の方法でも可能です。
コントロールパネルのプログラムのアンインストールで、「インストールされた更新プログラム」を表示し、Security Update for Microsoft Office 20xx (KB4011xxx) を選択して、一覧上部でアンインストールし、PCを再起動します。
再度コントロールパネルのプログラムのアンインストールで、対象の Microsoft Office 20xx を選択して、一覧上部の「変更」から「機能の追加/削除」を選択し[続行]で、Office ツールにある数式エディタ―を選択し、「インストールしない」にして[続行]してガイドの従い削除をして、Windows を再起動します。
再度コントロールパネルから前述と同じ操作で数式エディタ―を選択し、「マイコンピューターから実行」にしてガイドに従ってインストールして、Windows を再起動します。

別の方法としては、システムの復元で 1月の月次の定例更新前の復元ポイントに戻す方法があります。
1月 6日の更新の復元ポイントがあったので、この時点に戻して見ると数式3.0 が使用可能に戻りました。

C2R (クイック実行版) の場合は、削除される前の12月の更新バージョンのビルドに戻すことになると思います。

こちらで試した限りでは、該当 KB のアンインストールと Office の修復、PC の再起動、およびシステムの復元後に該当 KB 以外だけを Update で適用の、どちらの方法でも正常に戻りました。

KB のアンインストールや復元ポイントを戻す方法で復活できた場合、Windows Update の設定で自動更新ではなく通知だけを受けるように変更して、上記の KB だけ除いて更新するなどで対応しないと、原因となる KB が再度適用されてしまうため、復活した数式3.0 はまた消えてしまいます。
C2R 版の場合は、[ファイル]タブのアカウントの [更新オプション] で、「更新を無効にする」に変更しておきます。

数式3.0 はサードパーティ製の古い製品なので、脆弱性を突いた不正なアクセスの増大が認められたことで、今後修正することはなく廃止となるようです。
下記の追加情報を参考に、数式機能の扱いをどうするか早めに決めて、Windows Update や Office の自動更新を有効に戻しておいたほうが良さそうです。

現象
・[挿入]タブ➜[オブジェクト]の一覧から「数式3.0」が消えてしまいます。
zu058-1.jpg

原因となっている KB をアンインストールしただけの場合を含め、数式3.0 が消えた状態の時は以下のようなメッセージが表示されてくると思います。

zu058-2.jpg

イベントビューアーのログを見ると、MSI Instoller の警告ログが記録されていました。
製品 '{90150000-006E-0411-0000-0000000FF1CE}'、機能 'EquationEditorFilesIntl_1041' の検出は、コンポーネント '{CC29EA39-7BC2-11D1-A921-00A0C91E2AA2}' を要求するときに失敗しました

製品 '{90150000-006E-0411-0000-0000000FF1CE}'、機能 'EquationEditorFilesIntl_1041'、コンポーネント '{CC29EA39-7BC2-11D1-A921-00A0C91E2AA2}' の検出に失敗しました。リソース 'C:\Program Files (x86)\Common Files\Microsoft Shared\EQUATION\EQNEDT32.EXE' がありません。

注) 上記の内容は発生した時期、および使用環境の状況で検証を行っただけなので、行う場合は自己責任でお願いします。

--- 【重要】 2018-01-13 追加 ---
1月の更新で数式3.0 が消えた理由がわかりました。

以下のサポート情報に書かれているように、数式 3.0 のセキュリティ上の問題によって 1月の Update で削除したということのようです。
Office 97 の頃からある機能で 20年以上になるので、脆弱性を突いた攻撃の増大で危険性が高くなっているということであれば、仕方ないのかなーと思います。
更新プログラムを削除して復活が可能としても、できるだけこの手段は避けたほうが良さそうです。

Office 内の数式を編集するときのエラー

以降は Office 2007 以降に組み込まれた新しい [数式]ツール 、またはサードパーティ製の MathType (30日評価版、簡易版の MathType Lite は無料、製品版は有償) などを利用してくださいとのことです。
新しいバージョンの Office 365 製品、Office Premium+Office 365 サービスの利用ユーザー (Office 365 サブスクライバー) は、組み込みの数式機能のほかに、昨年の7~10月頃に新機能として LaTex が利用可能となっているようです。
表示されない場合は、最新のバージョン(ビルド)に更新を行ってみてください。

新しい数式は [互換モード] では使用できないため、数式3.0 で作成された既存の数式は編集できなくなります。
元からある資産の扱い、移行するための労力はどうするかの問題は残りますが。。。
セキュリティ上問題あるのは EQNEDT32.EXE なので、削除後も既存の文書の数式が表示される場合はそのまま使用できますが、編集はできなくなります。

数式を入力、挿入、または変更する

C2R版 の Office 2016 を最新の状態に更新してみました。
前述した C2R版の eqnedt.exe のファイルは残ったままですが、サイズが 0KB に変わりました。
しかし、Word 2016 のオブジェクトには数式 3.0 があり、使用可能な状態でした???
Windows Update の更新を一部止めたので、その影響があるのかもしれません。
重要な更新をすべて適用してどうなるか、結果を見て再度追記します。
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結論は、セキュリティの脆弱性の問題で、すべてのバージョンの Office から数式3.0 は、1月の更新で削除ということのようです。
数式3.0 で作成した数式は、無料で使用できる LaTex Light (簡易版) で編集可能なようです。
今後の数式の利用は、Office 2007 以降の新しい数式を利用するようにしてほしいということのようです。
正月休み明け早々に、突然使えなくなるのはちょっと困りものですが、古いツールでセキュリティ上と言われると仕方ないのかもしれません。

この時期なので、論文作成などでどうしても一時的にでも使いたい場合、Office 2010 以前の場合は前述のような方法で戻すしかありませんが、Office 2013 以降のC2R版の場合は、下記情報のコマンドプロンプトで、更新前のバージョンのビルド番号を指定して戻す方法があります。
使用が終わるまでは自動更新を停止しておき、終わったら自動更新で最新にしておくことを勧めます。

以前のバージョンの Office 2013 または Office 2016 クイック実行に戻す方法

--- 2018-1-17 追加 ---
Microsoft の Office Support Team Blog にも記事が公開されました。
数式エディター 3.0 の機能削除について

<関連の情報>
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